2013年2月15日金曜日

TAXシーズン到来!


いよいよ、タックスシーズンです。米国の会計士達が4月の申告期限を目指して、ここぞとばかりに稼ぎまくるシーズンとなりました。ここ米国では、会社で働いて給与から税金を天引されている人たちも、みんな確定申告をします。なのでこの時期は、ミリオネア-もアルバイトでちょっとだけ稼いだ学生も、多かれ少なかれ準備に大変な思いをすることになるのです。

個人はもちろんですが、株式会社も税金を納めます。株式会社を経営している私は、「個人」と「会社」のダブル申告の苦しみが……。(もちろん、普段からもっとしっかりしていれば、苦しむことは限りなく少なくなるのですが。)

昨夜遅くまでかかり、2012年末の財務諸表を準備、確認して、今朝ほど会計士と相談しました。何とか会社の申告はめどが付いてホッとしたのもつかの間、今度は個人の申告も準備しなくてはなりません。普段とは違う脳みその部分を使うせいか、頭がクラクラしてきました。

私の場合、個人の申告は、会社の時のようにはきちんと準備出来ていなかったのが敗因です。一年間にたまった山のような書類とレシートの中から、必要なものを見つけ出し引っ張りだして来ます。必要書類は、収入や税金関連のものはもちろん、働くために子どもを預ければその費用、車両登録のレシート、不用品をドーネーションしたならそのレシート、など、とにかく色々あるのです。見つからなければ、家中の書類をひっくり返して書類の山やゴミと格闘することになります。どうしてこんなにたくさんの紙くずが、あちらこちらにあるの!(アメリカではまだまだ紙が基本で、その書類の量といったら、半端ではありません


毎年まったく同じ事を繰り返しているのに、なぜだか学習効果がまったく得られず、例年苦労することになります。でも、こんな思いをしているのは、私だけではないはずと確信しています。周りを見渡しても、スタートアップの経営者チャンスとキャサリン、それにご近所のみなさんも、個人の申告準備で大変そう。

こんな皆が大変なプロセスを、もっと軽く楽しくこなすことが出来たら、、、と思っていたら、まさにこれこそゲーミフィケーションです!ゲーミフィケーションが導入されていれば(!)、ゲーム感覚で普段はつまらないタスクも楽しくこなせるのに。



私は会社用にQuickbooksという会計ソフトを使っています。ビジネス用なので、何のおもしろみもありません。(Quickbooksさん、ゲーミフィケーションを導入してはいかが?)せめて個人用のソフトは楽しく出来るものがないかと思っていたら、何と、似たものはあるのです。それは個人のファイナンスをオンラインで管理するソフト、Mint.comです。

Mint.comでは、面倒だけれども必要な、細々した情報整理とタスク管理のところにゲーミフィケーションを導入しました。楽しく段階をふんでいくと家計管理と将来のファイナンス計画が出来る、夢のような(?)ソフトなのです。



次回はこのソフトMint.comが、どのようにゲーミフィケーションを導入しているのか報告します。果たして本当に効果的にゲーミフィケーションが使われているのか?!  

2013年2月7日木曜日

NFL スーパーボールとゲーミフィケーション(続き)


前回、NFLのサイトのファンページについて仮説を立ててみました。

仮説:NFLのファンページのゲーミフィケーションは、NFL自体のファンを惹きつけることには成功しているけれど、ある特定のチーム(この場合はSF 49rs)のファンを、NFL自体のファンとして新たに獲得することには、成功していない(もしくは獲得しようとしていない)。


それでは早速、ファンページでゲーミフィケーションを楽しんでみましょう。



フロントページに大きく広がるバナーに「Show your passion! (熱意を見せよう!)」という宣伝文句。登録すると、先ずは自分のプロファイルを作ることになります。もちろん、贔屓のチームを登録。私はここではSF49rsでで登録しました。これから何が出てくるのか、ちょっとワクワクします。

次は、いよいよアクティビティに参加。これは、参加するとポイントとコインがもらえる、リワードシステムです。例えば、最初にどうやってこのシステムに参加するか学ぶと、55ポイントがもらえます。「え、リワードシステムの説明を読むだけで55ポイントも!」。物珍しさも手伝い、ついモチベーションが上がります。



その他、「NFLネットワークについて学ぼう」では45ポイントももらえます。それに、NFLが主催で子どものエクササイズ時間を増やす目的の「Play 60」キャンペーン。ビデオをみて、ツイッターやFacebookで仲間に知らせるとさらに加点。

なるほど、少し面倒で省略しがちな学び系のアクティビティをポイント化することで、ユーザーにNFLがやろうとしていることを知ってもらおうというわけです。

ポイントと一緒にもらえるコインは、リワード・ストアで商品と交換することが出来ます。このストアでは、チームのロゴ入りジャージーや帽子などが購入できます。


これらのアクティビティを個やった所で、ファンページの検証を終了。203ポイントを手に入れることができました。

なるほど、確かにNFLのサイトに長々と滞在し、NFLについていろいろ学ぶことが出来ました。おまけにポイントも貰えた。でも、正直「だから?」という感覚は残ります。ファンのランキングも公開されていますが、一位は115,485ポイント。今からランキング入りを狙うには、相当の努力と時間が必要でしょう。 

自分がポイントを貰えることで、自分の好きな49rsを直接応援出来るならもっと頑張るのですが、どうにも最初のモチベーションが続きません。49rsジャージーもキャップも、すごーく欲しくてがんばろう!と思えない。ランキングのシステムや、商品などのリワードは、特定のチームを応援したいユーザーには、あまり魅力的ではないのではないでしょうか。


当初の仮説、NFLのファンページのゲーミフィケーションは、NFL自体のファンを獲得することには成功しているけれど、ある特定のチーム(この場合はSF 49rs)のファンを、NFLサイトのファンとして獲得することには、成功していない(もしくは獲得しようとしていない)。は、私が実際に体験したところでは、正しいようです。

むしろここでは、「特定のチームのファンに、新たにNFLサイトに来てもらう」のではなく、「すでにサイトを訪れているNFLファンに、よりエンゲージしてもらうこと」を目的にしてるのかもしれません。この目的に限って言えば、成功例といえるでしょう。

個人的には、マーケティング目的がもうちょっと違ってもいいような気がします。例えば、「まだサイトにきていない各チームのファンに、もっとサイトに来て楽しんでもらう」など。せっかくの、年に一度のスーパーボール、もっともっと幅広いファンとのエンゲージメントを作れたらよかったのでは?

やはり、最初の目的をしっかり定めることが、ゲーミフィケーションでも大切ですね!

2013年2月6日水曜日

NFL (National Football League) スーパーボール! NFLウェブサイトでゲーミフィケーション実例を見てみよう!


先週の日曜日、午後3時半から、ここアメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズで、スーパーボールが開催されました。スーパーボールはプロ・フットボールのシーズン最後を飾る決勝戦です。アメリカンフットボールに馴染みのない方にはピンと来ないかもしれませんが、開催される2月の第一日曜日は「スーパーサンデー」と呼ばれ、ほとんどのアメリカ人がTVでこのゲームを楽しみます。 2012年の視聴率は47.8%、普段はフットボールを見ない人でも、一緒になってとにかく楽しみます。今年はSan Francisco 49ersが二十年ぶりで出場するため、サンフランシスコはもとより、ここシリコンバレーでも例年以上の盛り上がりを見せていました。

私もこの盛り上がりを楽しむために、ご近所さんが主催する「スーパーボール・パーティー」に行ってきました。大画面を囲み、簡単なスナックや、ホットドックとビール、そして試合をみんなで楽しむ、カジュアルなパーティーです。私たち以外に、San Jose周辺に住む30〜40代のごく普通のアメリカ人カップル達が、5組ほど参加していました。

さて、NFLといえば、ウェブサイトのファンのページに、ゲーミフィケーションが使われています。フットボールファンに、このサイトのゲーミフィケーションデザインは効果があるのでしょうか。ためしに、パーティーに来ていたアメリカ人男性に聞いてみました。



NFLのウェブサイトには良く行く?」

「うーん、いろんなチームのスコアをチェックする時くらいかな。贔屓のチームのサイトに直接行ったほうが、ダイジェストもNFLサイトよりも長く見れるからね。

「じゃあ、NFLファンのページは?」(ここにゲーミフィケーションが使われています)

「いや、いかないなあ」

「ファンのページでポイントを獲得すると、色々特典がもらえるのよ、知っていた?」

「知らないなあ。自分の贔屓のチームの情報は見たいけど、なんだか面倒なことはしないね。それに、僕は『NFLのファンじゃないから。49ersのファンだから。NFLだと一般的すぎて。49ersのことなら他のサイトに行くからね。」


なるほど!

彼は「自分の地元チームを応援するためには色々する」けれど、「NFL自体には興味が無い」とのこと。ここで、NFLのファンページで使われているゲーミフィケーションに、一つの仮説たててみました。


仮説:NFLのファンページのゲーミフィケーションは、NFL自体のファンを惹きつけることには成功しているけれど、ある特定のチーム(この場合は49ers)のファンを、NFL自体のファンとして新たに獲得することには、成功していない(もしくは獲得しようとしていない)。


次回はこの仮説が正しいかどうか、ファンページのゲーミフィケーションを試してみることにします。