2013年6月1日土曜日

秘密のゲーミフィケーション

先日、マーケティング関連のカンファレンスに出席しました。そこではビジネスデベロップメントやマーケティングのエグゼクティブ達がスピーカーで、様々な関連トピックについてセッションを行なっています。面白そうなものを選んで参加したのですが、そこで、この間実感していたことそのものを目の当たりにしました。



トピックは”How to create your customer advocate”。どうやって、自社ブランドや製品に忠実な顧客をつくって、彼らがこちらから頼まずとも、勝手に宣伝してくれるようにするかという話です。要するに口コミの創造です。熱心な顧客は、自分が気に入った商品を友人や同僚に広めてくれますし、コストが掛からないだけでなく、下手な広告よりずっと効果的です。友人からのお勧めって、すんなり受け入れやすいものです。

するするとスライドを見ながら、彼らの戦略をふんふんとうなづいていましたが、ある所でふと気が付きました。これ、まるっきりゲーミフィケーションの話しなのです。問題(どうやって忠実な顧客に自分から宣伝してもらうか)に対するアプローチの仕方(ウェブサイトで顧客にポイントを与える、インスタント・フィードバックを与える、等)、まるっとゲーミフィケーション。


ところが最後まで、このスピーカー、ゲーミフィケーションの「ゲ」の字も使いませんでした。何というか、新鮮な驚き!大体、ゲーミフィケーションの名前は大々的に出さなくとも、さり気なく「これはゲーミフィケーションとも呼ばれているけれど」と言われることも多いからです。このスピーカーは、ゲーミフィケーションと呼ぶことでちっともいいことはないという判断だったのでしょう。


顧客を取り込むための手法として、ゲーミフィケーションは確実に使われて、残っていきそうです。でも、ゲーミフィケーションという言葉自体はやっぱりだめなのかな、顧客に受け入れられにくいのかな。ピシャリと現実を見せられました。